PRODUCTION NOTE

アクション映画の雄、リュ・スンワン監督のもとに韓国史上最強のスタッフ&キャストが結集!

『ダイ・バッド 死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか』(00)で監督デビューを果たし、『クライング・フィスト』(05)、『シティ・オブ・バイオレンス 相棒』(06)などのアクション快作を世に送り出してきたリュ・スンワンは、韓国では“アクション映画の第一人者"と呼ばれる気鋭監督である。斬新なセンスに満ちたアクション演出と緻密なプロットで観客の心を捉えてきたリュ監督は、壮大なスケールの『ベルリンファイル』の撮影に取り組むにあたって、韓国最高の武術監督であり、ハリウッド大作『G.I.ジョー バック2リベンジ』(13)にも参加したチョン・ドゥホンと協力関係を結んだ。またダイナミックなアクションを繊細に映し出すことに定評があり、“視覚の魔術師"と称される撮影監督チェ・ヨンファン、『オールド・ボーイ』(03)やリュ監督の前作『生き残るための3つの取引』(10)で韓国における映画音楽の歴史を塗り替えてきたチョ・ヨンウクがバックアップ。韓国映画史上最強レベルといって過言ではない、凄腕のスタッフがリュ監督のもとに集結した。
むろん韓国ではハ・ジョンウ、ハン・ソッキュ、チョン・ジヒョン、リュ・スンボムという実力とカリスマ性を併せ持つ豪華俳優陣も公開前から大きな話題を呼んだ。「キャスティングにはすべて満足している。私が考えたキャラクターに完璧に合う俳優たちを配役できたことは、非常に幸運だと思っている」。リュ監督がそのように語る本作は、韓国における2013年上半期最高の期待作として2013年1月29日に封切られ、700万人以上を動員する爆発的ヒットを記録した。

壮大なスケールの物語に重厚感を吹き込んだ異国情緒あふれるベルリンのロケーション

本作の圧倒的なスケールに重厚感ある雰囲気を添えているのが、海外ロケによって撮影された異国情緒あふれる風景だ。リュ・スンワン監督がベルリンを物語の背景にした理由を次のように語る。「冷戦時代が終わった今も、その雰囲気と時代の悲劇がそのまま残っているベルリンで、自分を隠しながら生きていく、秘密めいた危ない人物たちの話を作りたかった」。またジンス役のハン・ソッキュは「脚本を読んで、これは必ずベルリンで撮らなくてはならない映画だと思った」と語る。彼らの言葉通り、ベルリンの街並みは、秘密要員の男女4人が織りなす国際的な陰謀と裏切りというストーリーにぴったり合致する空間となった。
本作の製作チームは現地のプロダクション・チームとともに、事前にロケーション・ハンティングを行った。現地で撮影した写真を参照しながら、そこに合わせたアクションを考案し、映画の背景に似合うアクションの創造に集中した。そのうえで製作チームは、ベルリンとラトビアの首都リガで2ヵ月間の海外ロケを敢行した。強烈な印象を残すベルリンのウェスティンホテルでのアクション・シーンをオープニングに据え、ハ・ジョンウの息詰まるほどのカー・アクション・シーンを観ることができるブランデンブルク広場、さらにハケショマーク市場、オッペンバウム橋といった異国の風景が、アクションのスケール感をいっそうグレードアップさせている。

欧州での入念なロケハンを経て設計されたリュ・スンワン監督、こだわりの“空間”演出

「私はアクション・シーンを撮るとき、まず空間を決定し、そこからアイデアを具体化させる」。そう語るように、リュ・スンワン監督はアクション演出の設計において常に何よりも空間を重要視してきた。リュ監督が初の海外ロケを行った本作では、映画の主要背景となる場所の設定とアクション・シーンに用いる空間を完成させることに、これまで以上に心血を注いだ。 海外でのロケハンも容易ではない作業だった。最適な場所を選定するために2011年1月から1年間を費やし、ベルリン、ハンガリー、チェコ、ラトビア、セルビア、ウクライナ、ルーマニアなどで事前調査を実施。2012年1月からは国内演出チーム、ロケハン・チームなどが、ベルリンとラトビアのリガでアパートに常駐しながら撮影可能な場所を探していった。そして現地からの資料を基に、韓国にいたリュ監督と意見を交わし、それを助監督や演出部が連日スカイプのテレビ通話で話し合いながら、実際に撮影に使われた場所を選定していった。
さらに本作は格闘や銃撃などの派手なアクション・シーンが連続するため、撮影の交渉そのものが不可能な場所が多く、セットを使用することもあった。気に入った空間の構造を美術チームが設計し、それを基に室内のセットを造った。そしてそのセットの壁に段ボールなどを並べ、それに合わせてアクションをデザインした。俳優たちがコーナーを回る角度や、倒れながら銃を撃つ間隔といったディテールを考慮してアクション・シミュレーションを行ったのち、そのデザインに合わせてセットを完成させたのだ。またスタッフは部屋の小さな本棚を現地ベルリンで調達し、本、水筒、新聞、雑誌、飲み物などをドイツから直接空輸するなど、ひとつひとつの小道具に関してもこだわりを尽した。

韓国映画の限界を突き破る見せ場となったワイヤー・アクションとカーチェイスの撮影

本作は過去の韓国映画では見られなかった高難度のアクション・シーンを実現させた。特に登場人物が13メートル上空から落下する韓国映画史上初の“脱出ワイヤー・アクション"がその代表例である。ハ・ジョンウとチョン・ジヒョン扮する夫婦が決死の脱出を試みるこのシーンを画期的な方法で映像化するため、リュ・スンワン監督はラトビアのプロダクション・オフィスの珍しい建物の構造に着目し、ガラス製のドーム・デザインを考案。13メートルの高さを再現できる韓国唯一のスタジオであるアンソンのDIMAスタジオに、ガラス製のドーム・セットを制作した。大きな危険が伴うため、実際の撮影は緊張の連続だった。ワイヤーの上げ下げのために動員された10~13名のスタッフが、何回もその作業を繰り返した。そして最終的にスタッフの完璧な呼吸によって、本作のハイライトのひとつである“脱出ワイヤー・アクション"が完成した。
またリガの中級ホテルの広場で撮影されたカーチェイスは、本作で最も予算を投入したシーンである。映画の内容上、非常に危ないカー・アクションを実施するため、ここでもスタッフは緊張を強いられた。あらかじめ撮影協力を求めなければならない店舗や住宅などは30ヵ所以上で、交渉のために3ヵ月近くが費やされた。そうした千辛万苦の努力の結果、人通りが多くない早朝4時から午後12時までの道を全面封鎖し、4日がかりの撮影を行った。このシーンのために広場の路地に約40人の警備員が配置され、さらなる安全のために数多くの地元警察が動員されたという裏話もある。